自動車ステアリング装丁用皮革の型紙設計支援

Abstract

自動車の内装分野において,ステアリングに皮革を縫い付けて装丁した「革巻きステアリング」の需要が伸びている.しかし,ステアリングの形状の複雑さと皮革の伸縮特性のため,革巻きステアリングは型紙設計が難しく,コストがかかるという問題がある.そこで,現在職人の手作業によって行われているステアリング装丁用皮革の型紙設計をコンピュータによって支援する手法を提案する.本研究では,ステアリングに縫い付けた皮革の変形を調査するため,規則正しい格子模様の入った皮革を縫い付けた「格子入り革巻きステアリング」を用いて,皮革の変形情報を計算した.また,それによって得られた皮革の伸び縮みの場所を考慮に入れながら,ステアリングの3次元形状を展開した形状に変形処理を加えることで,型紙形状を生成した.数値評価および布や皮革を用いたステアリングへの縫付評価を行い,ほぼ妥当な品質の型紙形状が生成できることを確認した.

Publication

  • 小島恵,三谷純,福井幸男: "自動車ステアリング装丁用皮革の型紙作成支援の研究―皮革の変形情報の調査について―" 2009年度日本図学会大会, 筑波, 2009年5月9,10日.